2025年、AI業界ではまた一つ大きな動きがありました。Shutterstock(シャッターストック)が、企業向け動画AIを手がける英国のSynthesia(シンセシア)に対し、自社の動画ライブラリをライセンス提供したのです。
この提携によって、AIがより人間らしい表現力を持つアバターを生み出すための一歩が踏み出されました。
ShutterstockとSynthesiaの提携内容
Shutterstockの動画ライブラリがAIトレーニングに活用
今回の契約で、SynthesiaはShutterstockが保有する膨大な動画ライブラリへのアクセス権を得ました。これにより、Synthesiaの最新AIモデル「EXPRESS-2」のトレーニングデータとして活用される予定です。
このモデルは、企業向け動画(例:サイバーセキュリティ教育、社内コミュニケーション啓発など)で利用されるアバター生成のために開発されています。
人の姿勢・表情・声の抑揚を学習
Synthesiaは従来、俳優の映像を3年間使用する契約を結び、アバター生成に利用していました。しかし、今回の提携により、俳優以外の一般人物が登場するShutterstockの映像からも以下の要素を学習可能になります。
- デスクでの動作
- ホワイトボードを使う仕草
- 声の抑揚やトーン
- 表情や視線の動き
ただし「顔をそのまま使う」わけではない
肖像権やプライバシーへの配慮として、動画に映る人物の顔をそのままアバターとして利用するわけではないと明言されています。あくまで「動き方」や「表現の仕方」のパターンを学ぶための使用です。
クリエイターへの還元問題も浮き彫りに
今回の提携には、AI企業によるコンテンツ使用と著作者への対価というテーマも付きまといます。近年、以下のようなコンテンツ提供契約が相次いでいます:
- OpenAIとDotDash Meredith
- Time誌による過去101年分のジャーナリズム提供
- Reuters(ロイター)とMetaの長期契約
しかし、多くの場合、元のクリエイターや映像に登場する個人に対する通知・報酬の仕組みは明確ではありません。
ShutterstockのAI企業との関係性
実はShutterstockは今回が初めてのAI企業との提携ではありません。これまでも以下のような動きを見せてきました:
- OpenAIのDALL-E 2と提携し、AI生成画像を販売
- 独自にAIコンテンツのライセンス供与を拡大中
つまり、Shutterstockは「AIフレンドリー」な企業へ
今後も同社は、AI開発企業とのコラボレーションを積極的に進めていく姿勢を示しています。
まとめ:AIとコンテンツの関係はどこまで進化するのか
今回のShutterstockとSynthesiaの提携は、AIが人間らしさを学習するための素材を、商業的ライブラリから得る時代が到来したことを示しています。
今後、AIアバターはより自然な表現力を持つようになる一方で、クリエイターの権利や倫理的課題への対応が強く求められるでしょう。


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