太陽系初期の謎に迫る12年のミッション、次なる観測対象は「人類の祖先」にちなんだ小惑星
アメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙探査機「ルーシー(Lucy)」が、現地時間2025年4月20日(日)午後1時51分(ET)に、小惑星ドナルドジョハンソン(Donaldjohanson)に約960kmの距離まで接近する予定です。これは、同探査機による12年間の長期ミッションにおける2回目の小惑星接近フライバイ(近接飛行)となります。
小惑星ドナルドジョハンソンとは?
この小惑星は、アフリカで有名な化石人類「ルーシー」を発見した古人類学者ドナルド・ジョハンソン氏にちなんで命名されました。名称の由来は探査機「ルーシー」とも深く関係しており、科学と人類の起源探求を結びつける象徴的なターゲットといえます。
ルーシー探査機の観測内容
NASAによれば、今回の接近で3つの観測機器を使用し、ドナルドジョハンソンの詳細なデータを収集します:
- 数時間かけて小惑星の回転に合わせて追跡
- 最接近直前には太陽光による機器の損傷を防ぐため観測を一時停止
- 表面の地形、組成、反射率などを解析予定
過去の成果:ディンキネシュ(Dinkinesh)との遭遇
ルーシーは2023年に初のターゲットである小惑星「ディンキネシュ」に接近。観測の結果、なんとその小惑星にはピーナッツ型の「接触連星衛星(コンタクトバイナリ)」が存在していたことが明らかになりました。
この発見は、予想外の構造と進化を持つ小天体の存在を示すもので、科学者たちにとって大きな驚きとなりました。
今後の予定:ジュピター・トロヤ群へ
今回のドナルドジョハンソン接近の後、ルーシーは木星と同じ軌道上に存在する「トロヤ群小惑星(Trojan asteroids)」の観測を本格的に開始します。
- トロヤ群は太陽系形成の初期情報を保持しているとされる
- 最初のトロヤ小惑星への接近は2027年を予定
NASAのコメント:「小惑星は太陽系の物語を語る」
ルーシー計画のプログラム科学者であるトム・スタトラー氏は以下のようにコメントしています:
「すべての小惑星には、それぞれ異なる物語があります。その一つ一つの物語が、太陽系の歴史を織りなすものとなるのです。ドナルドジョハンソンも、また新たな驚きを与えてくれることでしょう。」
まとめ:太陽系の起源解明に向けた一歩
- 探査機ルーシーが2025年4月20日に小惑星ドナルドジョハンソンに最接近
- 3つの観測機器で詳細データを取得予定
- 将来的にはトロヤ群の小惑星観測が控える重要なマイルストーン
今回の接近により、またひとつ太陽系の「過去」を知る手がかりが得られるかもしれません。


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