法的トラブルを経てついに復活
2023年末、Apple Watch Series 9およびUltra 2は、Masimo社との特許紛争を理由にアメリカ国内で血中酸素測定機能(SpO₂)を搭載したままの販売が停止されました。これに対し、Appleは一部モデルの販売再開に際し、該当機能を意図的に削除せざるを得なくなりました。結果、2024年初頭に販売されたSeries 9とUltra 2にはSpO₂アプリが利用できない状態となり、初代シリーズやSeries 8以前に比べて、健康トラッキング面で大きな“欠落”と見なされていました。
watchOS 11.6.1とiOS 18.6.1で「血中酸素機能」が復活
2025年8月14日、AppleはwatchOS 11.6.1とiOS 18.6.1をリリース。これにより、Series 9、Series 10、そしてUltra 2の米国モデルにおいて、新たに再設計された血中酸素測定機能が利用可能になります。
新しい計測プロセス
この復活した機能は従来と異なり、Apple Watch自体ではセンサーとしてのデータ取得のみを担い、計算処理および結果の表示はiPhone側で行われます。具体的には、WatchのBlood Oxygenアプリやバックグラウンドでセンサーがデータを収集し、それをiPhoneのHealthアプリの“Respiratory”(呼吸)セクションで確認するという形です。
従来のようにWatch単体で直接結果を表示することはできませんが、完全に機能を失っていた状態に比べると、大きな利便性の復旧といえます。
対象モデルと適用条件
この再設計された機能が適用されるのは、米国で販売された、SpO₂機能が最初から削除されたSeries 9、Series 10、Ultra 2(型番末尾が“LW/A”のモデル)に限定されます。以前から血中酸素機能が利用できていたモデルや、米国外で購入された端末には影響ありません。
残念ながら、日本版ではこのアップデートは適用されないということです。
とはいえ、Vision Proの発売が米国で先行されたように今回のアップデートも今後日本版で追加されるかもしれません。期待して待ちましょう。
タイミングの妙──アップグレードの需要に配慮
この機能復活は、まさに新世代Apple Watchの発表直前というタイミング。Series 8以前を使用中のユーザーや、血中酸素機能の復活を待っていた人々にとっては、Series 11やUltra 3へのアップグレードを見送る理由が一つ減った形です。
ユーザーにとってはありがたいことですが、Apple的にはSeries 11やUltra 3を購入して欲しいはずです。なぜこのタイミングでアップデートを発表したのでしょうか。
Ultra 3 or Series 11──期待の次世代Apple Watchとは?
Ultra 3の注目ポイント
次期Ultraモデル「Apple Watch Ultra 3」は、DisplayやSiP(System in Package)、通信機能、防水・耐衝撃性など多方面でアップグレードが予測されています。
- ディスプレイ向上:Ultra 2(410×502)からUltra 3は422×514へ、高解像度かつ広視野のOLEDを採用。さらに、Series 10で導入されたLTPO3などの常時表示刷新機能も搭載されそうです。
- チップ/SoC:S11 SiP、あるいはS10と同等の新チップ搭載により、処理性能とエネルギー効率の向上が期待されます。
- 新健康機能:高血圧検知機能(血圧測定ではなく異常傾向の通知)、衛星通信、5G RedCapなどの通信機能強化も想定されています。
Series 11について
従来モデルの系譜であるSeries 11も、次のような改善が予想されています:
- S11 SiP搭載:性能向上とAI機能の対応。
- 高血圧検知の追加:Ultra系に続き、健康機能がさらに強化される見通し。
- 5G RedCap対応:通信性能もSeriesラインに拡大される可能性あり。
- OSの刷新:「watchOS 12」ではAIアシスタントや新UIの導入も期待されます。
発表時期の予想
両モデルとも9月のAppleスペシャルイベントで発表される見通しで、Ultra 3はイベント後すぐに予約開始、9月中旬には発売される可能性が高いです。
今後の動き:2026年以降の展望も視野に
DigiTimes Asiaによれば、2026年モデルではセンサー数の倍増、外装デザインの見直し、消費電力効率の大幅改善が行われる可能性があります。よりリアルな健康データ計測とデザイン刷新が期待されています。
今年はマイナーアップデートの予想がされているため、2026年モデルを待っていてもいいかもしれません。
総まとめ
2025年8月14日、AppleはwatchOS 11.6.1とiOS 18.6.1を通じて、長らく欠落していた血中酸素測定機能を、米国向けSeries 9/10/Ultra 2に再設計して実装しました。測定はApple Watchがセンサーとなり、計算と表示はiPhoneで行う“二段構え”ですが、機能の完全な喪失に比べて価値ある復旧です。
このタイミングは、Series 11とUltra 3への関心が高まる秋の前にユーザーの魅力を再強化する絶好の策。Ultra 3は高解像度・大画面、チップやディスプレイ、通信・健康性能の強化が噂され、Series 11もチップ性能と健康通知機能が磨かれる見通しです。さらに、2026年モデルではセンサーやデザインの大刷新も期待されています。


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